〇 ゼミ見学について
毎週水曜日の4・5時限目に12号館1階の101教室(もしくは廊下に入って2つ目の扉の心理実験室)にてゼミの活動をおこなっています。見学自由、事前連絡不要、授業途中での入退出もご自由に。主に、4時限目が発表を元に議論、5時限目が班に分かれての作業ですので、4時限目に来ていただく方が、聴講いただきやすいかと思います。
〇 ゼミについて
実験心理学ゼミナールにご関心をよせていただきありがとうございます。当ゼミでは、心理実験や調査を通じて人の心の働き方についての研究をすることを目標としています。ただ単に、心理学の勉強をするのではなく、世界で通用するきちんとした「研究」をする、ということが目標になります。
毎回のゼミでは、各参加者が、自分自身の関心にもとづく個人テーマをもち、そのテーマについて研究する方法を学ぶための活動しています。専門的な実験心理学の論文を読んで発表しその内容について議論する、それらの知識をベースにして自分自身で新しい研究を計画し実際にデータを収集する、統計的なデータ分析の手法を学び自分の集めたデータを分析する、成果を論文にまとめて発表する、というのが、活動の柱になります(その他にグループでの研究をおこなうなど、毎年、ゼミ生中心に活動内容を決めていただいています。臨床心理学、個人的な心の悩みの解決は本ゼミのテーマから外れますので、残念ながら、そのようなご関心にこたえることはできません)。
せっかくの大学生活なので自分個人の研究プロジェクトをもってみたい、卒業後、誰にでも胸を張って「私自身がこういう研究プロジェクトを立ち上げて、こういう研究して、こういうことを発見した」と言えるようになれたら素敵だ、と考える人にはお勧めのゼミだと思います。
〇 本格的にやる研究は楽しい
自分で考えたアイデアで自分の趣味に合わせた研究をするのは、とても楽しいものです。まだ誰も見たことのない実験の結果を世界ではじめて目にする喜びを、ぜひ皆さんと共有したいと思っています。実験心理学の世界では、学部学生のおこなった研究であっても十分価値のあるものとして評価されます(同じ科学的な手続きを守ったものであれば、偉い先生のおこなった実験と学生のおこなった実験で違う結果になる、ということはないはずです)。そのような本格的な実験をするために、各個人のプロジェクトについて、教員のもつ知識やスキルでお手伝いもします。過去の卒業生の研究の中には、実際に学術論文として発表され研究の世界で通用しているものもあります(下記参照)。教員自身、一番最初に論文として発表した研究は、学部の3回生のときに先生方の指導でおこなった研究でした。
〇 事前知識は?
今年度(そうでなければ来年度ゼミ履修とともに)心理学の授業を受講していただいていることが基礎知識として必要ですが、それ以外に特別な事前知識が現ゼミ生にもあったわけではありません。ただし、本格的な論文を読んだりもするので、コツコツと論文を読み重ねたり、根気強く粘り強く実験に取り組める方が向いているのではないかと思います(最小の努力でとにかくパーッと派手なことをやりたい、というウェイでパーティな人には向かないと思います)。
〇 過去のゼミ生の研究成果
トップページから最近のゼミの活動をご覧いただけます。http://cogsci.ws.hosei.ac.jp/wp/
また、当ゼミでどこまでどういう研究ができるのか、の参考として、これまで当ゼミで卒業論文を書かれた学生さんの研究成果(論文)のうち、学内外で公表されてオンラインでご覧いただけるものを下記にまとめました(研究テーマは、当ゼミの設備で、実験的、科学的に研究ができるテーマであれば自由ですので、下記のようなものに限定して考えていただく必要はありません。他にも、これまで、夢、ささやき声、FPSゲーム、眼鏡の印象、二重瞼の印象、絶対音感、パズル、消費選択行動、携帯依存、恥の感情、かわいい動物、語感(言葉の印象)、性格特性、などのテーマがゼミで取り扱われてきました。心理学の授業トピックなどもご参考に)。今後、成果発表をもう少し増やしていければ、と考えています。
- 法政大学懸賞論文
- 2015年度最優秀賞に選ばれた相馬さんの論文が大学のリポジトリから公開されています
- 相馬(2015) 商品を繰り返し見るという経験とその際の背景情報は消費者の商品選択にどのような影響を及ぼすか : デザイン性の異なる商品画像を用いた検討
- https://ci.nii.ac.jp/naid/120005764252
- 学術誌での研究発表
- 2017年度卒業生の佐藤さんの卒業研究を元にした論文が、国際学術誌Journal of Visionに掲載されています。
- https://jov.arvojournals.org/article.aspx?articleid=2755883
- 経済学部の優秀卒業論文が学部Webサイトにて公開されています(アクセスには法政のgmailアドレスでの統合認証が必要です)。以下は当ゼミからの論文です。
- 林(2023) 異なる形式と文脈の情報提供文が説得効果に及ぼす影響の調査
- 増田(2022) 「おそろい」であることが購買後の満足度に与える影響
- 小笠原(2021) 金銭と時間のトレードオフと金銭・時間資源の価値割引の関係性
- 磯貝(2020) 音声のパラ言語的特徴が時間評価に与える影響
- 湯浅(2020) 健康増進と健康損失の遅延価値割引に対して健康増進と健康損失の大きさが与える影響についての調査
- 小野(2018) 飲料カップの表面色が消費者の飲料の知覚に及ぼす影響についての実験的検討
- 小藥(2018)ユニークネス欲求の高さと他者の魅力度評価の関係性
- 綿引(2017) 姿勢の違いがワーキングメモリの容量や処理に及ぼす影響について
- 佐藤(2017)きらめき格子錯視における錯視スポットの知覚サイズの研究
- 相馬(2015) 商品を繰り返し見るという経験とその際の背景情報は消費者の商品選択にどのような影響を及ぼすか―デザイン性の異なる商品画像を用いた検討―
〇 卒業生の進路
・金融系企業、IT企業、医療法人、海外大学院、等、様々です。
〇教科書的な書籍のご紹介
- 勁草書房の統合認知シリーズ(本格的で少し歯ごたえがありますが一番のおすすめ)
- 有斐閣認知心理学
- 誠信書房心理学研究法シリーズ
- ヒルガードの心理学